深夜の古新聞

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zoom RSS まず武蔵高校から 試験地獄蓋開け

<<   作成日時 : 2016/05/03 02:59   >>

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心配顔の父兄たち


 府下中等学校最初の入学試験
 武蔵高等学校尋常科の試験が25日板橋区中新井の校舎で行われた。
 定員80名に受験人員は597名。郊外の泥濘の道を父兄の傘の下に入って、受験生たちは嵐に逢った小鳩のように胸を震わせて先生に幾度も教えられた言葉 − 「落ちついて、落ちついて」を繰り返しながら、午後8時同校に集まった。
 付き添いの父兄の数は受験者の約3倍 − その表情は心配そうと表現するには余りに複雑な、第一の振鈴が鳴り、受験者は6年間の勉強を、知識をこの1時間に集中して試験場に入って行った。溜息さえも出来ないように緊張した受験生と父兄たちの顔、今日からまたあの憂鬱な入学試験が始まったのだ。
 武蔵高校尋常科の入学試験はまず理解力(1時間)、計算力(50分)、観察力(30分)の3つに分かれて行われたが、理解力の問題ではいわゆる全文の訳や書き取りというようなものはなく、修身、地理、国文等の教科書中から、暗記的要素から一歩進んで内容の追及が行われている。従来のたたき込み、詰め込み主義試験勉強はほとんど役に立たない。
 今後行われる各種中等学校の試験科目が、本年度から読み方と算術に限られているため、この試験問題は今後の各校の試験方針に大きな指針となるものとみられている。

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試験問題

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理解力

(1)汽車の切符を買うときの作法をふたつ書け。
(2)独立でない国とは、どうなっている国か。東南アジアには何という独立国があるか。
(3)工業品や貿易品の額は7、8年間も変わらぬものか。もし変わるとすればその理由を書け。
(4)信長と秀吉とのキリスト教に対する方針を比べて、どちらがよいか、なぜよいかを述べよ。
(5)わが国だけで、いつまでもパルプの製造を盛んにしていくためには、何業に力を入れねばならぬか。なぜか。
(6)下の文中の誤りを正せ。
 「そのような事で、どうして父上の志をついで、忠義を尽くすことが出来ますか」と戒めた。正行は深く母の言葉に感じ、それから後は一日も忠義の心を失わず、遊戯にも賊を討つまねをしていた。

(7)小学生が不適当な競技の選手となり、激しい練習をした結果、病気になるのは、身命を捧げて愛校の質を上げるものというべきか。

<<<次回へ続く>>>


 昭和12年2月26日 朝日新聞

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<<<前回からの続き>>> −−−−−−−−−− 試験問題−−−−−−−−−−計算力(1)道路上に25mおきに2本ずつ合計10本の鉄管が置いてある。最初の場所から120m手前にいる人が、車でもといた所に鉄管を集めるには、全体で何程歩かねばならないか。車には4本までしか積めない。 (2)自動車で東京から横浜まで行くには40分かかる。早さを毎時6km増すと、5分早く着くという。10分早く着くには早さを毎時何程増せばよいか。 (3)重さの比が2:3:4なる3個の庭石を買い入れ、40円60... ...続きを見る
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