例の芳子さん 毎日、戦線を飛び回る

「面白い」フンと微笑


[上海にて門田特派員七日発]
粛親王の遺子で有名な例の川島芳子嬢が上海某所の日本人某氏の許に居るのを訪ねる。主人と話して居るところへ芳紀まさに二十四の芳子嬢がヅボンの膝まであるのをはいて入って来た。頭髪はイートンクロップ
「いつから来て居るんです」
「まア僕がいつから来て居るか知らないの」
という返事だ。話がし易くなる
「どうです、戦争は面白いですか」
「フン」という微笑
「戦線へ出て来ましたか」
「毎日、一昨日も電話局の傍でヘッドライトを撃たれちゃった」
「どうも向ふ見ずで危険でこの二三日私の許可なしでは外へ行くのを止めて居るのです」
と主人の話が続く
「一体、何でそんなに飛んで歩くのです」
「いへない」すこぶる荘重な返事だ
「この前、僕が満州に来た時も新聞は子供を産みに行くなんて書いてたね」とえらいところへ火の手が回った
「君なら支那の陣地へも行けるでせう」
「よくいくよ、僕は支那兵に捕まっても日本軍に捕まっても殺されない」
一寸得意の笑ひを煙草の煙の中から見せた
「その代り支那からも日本からも間違って殺される恐れもあるでせう」
といったら「ウウン」と断髪を横に振ったが、後からやって来た写真部員を見ると
「お父さん僕一寸お友達のところへ行ってくるよ」
とサッサと姿を消した。なかなか逃げ方がうまい
写真は川島芳子さん
画像


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