難物の関門海峡に大つり橋の計画

トンネルより一足先にと
 内務省が着々準備


 関門海峡に橋を渡さうといふどえらい計画を内務省が大乗気になって着々進めてゐる。
 同海峡のトンネルによる連絡についてはかねてから鉄道省で調査中だが、至難の工事なのでその目鼻さへつかないので、それではとあって内務省の方で

橋で連絡してみせやうではないかといふのである。


海峡のもっとも狭くなってなってゐる早鞆ノ瀬戸は約五百七十メートル。アメリカの金門湾にかかってゐるつり橋の長さが約二千メートルである事を思へば、大した難事業でもなく、陸海軍当局でもまだ正式の意見ではないが、架橋について国防上の立場から反対はしないといふ内意をもらしてをり、地元の諸団体からも内相あてに架橋陳情がどんどん出てゐるので、政友会御得意の産業五年計画の一つとして、五箇年計画の一つとして五箇年に二千五百万円を投じてこの際

関門海峡横断鉄橋の夢を実現

させやうといふことになった次第である。
 そこで昭和七年度にはその頭だけとなりと予算面にだして置きたいとあって、調査費三万円を計上。今度の臨時議会で協賛を得やうとすでに一件書類は大蔵省に提出してあり、鉄道省のトンネルよりお先に橋を渡さうと、目下どしどし設計その他の準備を進め、少なくとも昭和八年度から着工したいと意気込んでゐる。

電車も走らす空の大道路
  その下は軍艦でも通れる
   実現を各方面で期待



 関門海峡横断鉄橋の計画案を聞くに、
まづ早鞆ノ瀬戸の上に九百十メートルのつり橋を架ける。塔の高さが海面から約百メートル、水面から橋梁までが約六十メートルで、

どんな軍艦でも平気でその下を通れる。


橋の幅員二十六メートル。両側に四メートルの歩道をつけ、中央には複線による電車を走らせ、その電車道と歩道の間には車道をつけ、本土と九州とを完全に連絡させ、もしも鉄道省が鉄道をかけさせてほしいといへば、橋を二重にして電車道の下に鉄道を敷かせる計画である。

 ただここに問題となるのは経費の問題であるが、二千五百万円といっても五年継続事業であれば年額は五百万円、政府予想にも異存はなかろうといふ見込みで、調査費が議会で可決されれば、早速道路会議を招集して軍部、識者等の会合を求めて議を練り、

計画の実現へと急ぐはずで

ともかく早鞆の急潮流をはるか脚下にみおろしつつ関門海峡の上を歩いて通ろうといふのだから、我国交通史上の一紀元を劃するものである。

東京朝日新聞 昭和七年三月三日

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