校長に対する不平のストライキ

小樽商業学校生徒百余名は去る一日、昨三日に亘って悉く退学届を日下校主に提出し、袂を連ねて同校門を立ち去りたりと。
今其の同盟休校の原因を聞くに天長節式後一、二、三学年生徒百余名は廊下に集団し、平素の宿題たる日下校主の圧迫的訓練と内容の改善及び校友会其の他の会費決算等に関し、密かに議するところあり。
朝各学年の総代は日下校主を訪問し、下記の箇条を認めたる要求書を提出せり。

一、校長住宅を学校内より分離すること(授業中、日下校主の妻君が廊下を徘徊し、或は小児の泣声、或は炊事の音等聞え、授業の妨害甚だし)

二、此際必ず教員を増員すること(目下教員三名にて必須科の二、三を教授せず)

三、日下校主は校長の職務を執らざること(校長は札幌の安東俊明氏たり)

四、日下校主は生徒に対し圧迫的訓練を施さざること

等其の他4箇条にして尚附帯条件として

一、試験用紙代、交友会費、校費等の収支決算し、明瞭に報告すること

二、客年八月購入のオルガン代金未納の分あるは如何なる理由なりや(代金全部は生徒一同校主に既納せり)

三、賞罰を公平にすべし

等以て之を瞥見したる日下校主は「生徒としてあるまじき要求なり」とて憤然却下したり。
さればとて総代はこの顛末を一同に報告し、いずれも拳を握って退学を決議し、日下校主に提出したる後、自宅に引き上げたりと。
函館新聞 大正二年一月四日


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田口 智子

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