開放せぬ義士の墓

四月になってもやっぱり
 一銭とる泉岳寺


 高輪泉岳寺の赤穂浪士の墓所は、明治三十一年内務大臣から史跡として指定され、当時東京府は内務省の意を体して「当分入場料の徴収を許可する」といふことになってゐたが、以来泉岳寺は一向入場料を廃止する模様なく、遂に今日に及んだ。
 この頃は一ヶ月約六十万人の入場者を見てゐるが、泉岳寺は一銭づつの入場料を徴収してゐたところ、去る三月三十一日付きで東京府史跡係から「四月一日から入場料を徴収することを許可せず」といふ旨の通牒を発した。
 然るに泉岳寺では昨一日も二日も依然として入場料の徴収をやめず、関所様の入口も撤廃しないので、この墓地の管理権を持つ東京市では、二日午後寺側に交渉し、もしあくまでも入場料制度をやめないならば、強制的に関所様の囲ひを取りのける事になった。

市と寺と両方の言ひ分


泉岳寺では
これは市側に多少の誤解があるはずです。私の方ではある時期に達すれば、自動的に入場料制度を廃止しようと思っているのですが、これには双方の十分な了解が必要です。ところが直接この交渉に当たってゐる泉岳寺を代表する、程ヶ谷天徳院の中島住職が病気なので、そのままになってゐますが、いづれ円滑な解決をつけた上で、入場料制度はやめます。

一方東京市公園課では
内務省から史跡として指定されてゐる墓から、入場料を取るといふ事は、どう考えても不穏当である。殊にあの墓地は寺のものでなく、現在は東京市が管理してゐるので、今まで幾度も入場料制度の廃止を交渉したのに、一向改める模様はなく、かつ府から許可を取り消されても、廃止しなければ、強制的にやめさせる外はない。

東京朝日新聞 昭和三年四月三日

京急沿線謎解き散歩 (新人物文庫)
中経出版

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 京急沿線謎解き散歩 (新人物文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

赤穂浪士と吉良邸討入り (人をあるく)
吉川弘文館
谷口 眞子

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 赤穂浪士と吉良邸討入り (人をあるく) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

山廃純米 黒松剣菱 瑞穂 720ml
剣菱

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 山廃純米 黒松剣菱 瑞穂 720ml の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック