明るい表情の石垣島移民

見事なパイン畑も
 入植五年 ”沖縄よりずっといい”


 米軍の招待で日本人記者はこのほど八重山群島の石垣島を視察した。嘉手納飛行場から東西へ約3百マイル。双発の軍用機で一時間四五分の南海に浮かぶこの島は、沖縄本島より台湾に近い。大小十九の群島のうち、最も開けたところだが、飛行機の発着場と八重山民政官府のほか、米海軍の施設はない。この石垣島が沖縄の軍用地問題で俄かに注目を浴びている。沖縄移民を迎えているからだ。
 「あんな小さい島に、いわゆる軍用地地主が五万戸もいる」
 と驚く人が多いが、当の石垣島では「マラリヤ流行地帯として嫌われたのは昔のこと。これからますます開発する」とハリキっている。
 石垣島東海岸沿いに入植以来五年という大浜町、星野、伊野田両地区と、明石地区を回ってみた。
 一人当たり三千円しか持たずにやってきた人が多いという。しかし星野地区は既に、一戸で二町歩ぐらいの畑を耕しサトウキビやバナナ、落花生などを作っていた。
 「もう牛も手に入れた。移民に苦労はつきものだが、沖縄よりもずっといい」
 と表情は明るかった。
 石垣島伊野田地区ではパイナップルの見事な畑があった。
 この島では大変なパイン熱。
 ただ収穫に二年もかかる上に苗が一本九円もするので、これに手を付けるようになるまでには大変だという。計画移民の明石地区は開墾の真っ最中。
 水牛や馬を共同で使って、イモや陸稲、落花生などを作っていた。補助はあっても四、五年は苦しそう。しかし沖縄で農地を接収されてきた農民は
 「やはり来てよかった。落ち着いたら沖縄の親類を呼びたい」
 という。

朝日新聞 昭和三一年七月六日

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